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伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)

子供によく見られる伝染性の疾患で、通称とびひと言います。
皮膚の表面に細菌がついて、それが増殖すると、水ぶくれ(水疱)、かさぶた(痂皮)が出来ます。
鼻の中の細菌(ブドウ球菌)が原因となり、鼻を触れた手やその手が触れた所に広がります。そのため、鼻炎の治療も平行して行う必要があります。
とびひと湿疹反応が併発することがありますが、このように湿疹化したとびひを膿痂疹性湿疹と言います。
小児の場合(特に6才以下)、まれに重症化して、ぶどう球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)を起こすことがあります。これは高熱が出て、口、目、皮膚が腫れあがり、全身症状を起こすので、注意が必要です。

治療

  1. 皮膚の病変を消毒液で消毒します。
  2. 抗生剤の外用、内用を行います。
  3. 鼻炎の治療も平行して行います。

注意点

  1. 洗髪、洗顔、入浴を励行し、皮膚を清潔に保ちます。
  2. 幼稚園・小学校は登園登校禁止とし、お互いに接触しないようにします。

ヘルペス

ヘルペスウイルス(単純性疱疹ウイルス)が原因の疾患で、正式には単純性疱疹(たんじゅんせいほうしん)と言います。
特に成人で、ぴりぴりとした痛みを伴う水疱や糜爛が出来ます。口唇およびその周りに出来たものを口唇ヘルペス(口唇疱疹)と言います。陰部に出来たものを陰部ヘルペス(陰部疱疹)と言います。
特にアトピー性皮膚炎の乳児などは皮膚の抵抗力が無いため重症化し、発熱、脱水、痙攣などの全身症状を伴うことがあるので注意が必要です。これをカポジー水痘様発疹症と言います。
ヘルペスウイルスは感染すると神経に潜伏します。そして、ストレス、過労など何らかのきっかけでウイルスが増殖し、知覚神経にそって皮膚に出てきます。 そのため、ヘルペスは再発を繰り返すのが一般的です。

治療

  1. 軽症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の軟膏を外用します。痛みが激しい時には鎮痛剤も内服します。
  2. 中等症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の錠剤も併せて内服します。
  3. 重症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の点滴注射を行います。

注意点

現在の医学レベルではヘルペスを再発しないようにすることは出来ません。そのため、ヘルペスの治療は対処療法が中心となります。

  1. ストレス、過労などを控え、規則正しい生活パターンを作る。
  2. 早期に治療を始めると早く治るため、すぐに病院を受診する。

帯状疱疹

水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が原因の疾患で、体の半分に赤い帯状の発疹、水疱が出来て、神経痛のような痛みが起こります。 水痘帯状疱疹ウイルスは感染すると神経に潜伏します。そして、ストレス、過労など何らかのきっかけでウイルスが増殖し、知覚神経にそって皮膚に出てきます。
年少者や軽症例は特に問題なく速やかに治癒しますが、中高年の場合や重症例は治癒後に激しい神経痛(疱疹後神経痛)が後遺症として残ることがあるので注意が必要です。
顔面に出来る場合はまれに眼の障害、顔面麻痺、内耳障害を引き起こすことがあります。

治療

  1. 軽症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の軟膏を外用します。痛みが激しい時には鎮痛剤も内服します。
  2. 中等症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の錠剤も併せて内服します。
  3. 重症例には抗ウイルス剤(アシクロビル)の点滴注射を行います。

注意点

  1. 発疹、水疱が改善して数日経過しても痛みが取れない場合は、痛みの専門のクリニックを受診し神経節ブロックを施行することをおすすめします。
  2. 顔面麻痺、内耳障害を起こした場合、神経麻痺を改善するために、耳鼻科にてステロイド剤の点滴を行います。